離婚してくれない妻-説得方法など

・妻が離婚してくれない
・離婚したいけれど、妻が同意してくれない
・妻が離婚に応じてくれない
・妻を説得することができない

このようなご相談を受けることがあります。

本記事では、離婚したいけれど、妻が同意してくれないという悩み・相談について解説します。

結論としては、次の通りです。
・妻が同意しない理由を考えて同意を求める
・同意を得られない場合には裁判を考える

では、具体的に見ていきましょう。

執筆者

参考にしてください
2011年弁護士登録・岐阜県弁護士会所属
>>弁護士紹介

目次

離婚したいけれど、妻が同意してくれないという悩み

まず悩み・相談の状況です。

実は相談者が置かれている状態には様々あります。

あなたはどのような場合でしょうか?
・同居していて、妻に離婚を切り出した状況
・別居となっていて、離婚の協議を始めた状況
・離婚調停となっている状況
・長い間別居状態となって、その間に婚姻費用を支払っている状況

それぞれの状況によって、手段も変わってきます。

しかし、それぞれに共通した重要なポイントがあります。詳しく見ていきましょう。

妻が離婚に同意しない理由を考えてみる

離婚したいけれど、妻が応じてくれない。

このような場合に重要なことは、離婚に同意しない理由を考えることです。

最初からすぐに分かるケースもあります。

分からない場合には、直接聞くことも良いです。
しかし、正直には教えてくれないかもしれません。

多くのケースでは、次の理由があります。
・お金の不安がある
・家に住み続けることができなくなる
・子供がかわいそうであること
・世間体

お金の不安がある

一番多い理由は、将来のお金の不安があるという点です。

夫婦で、夫側の収入の方が高いケースがほとんどです。
結婚中は夫の稼ぎを頼りに生活してきたとしても、離婚によりそれが期待できなくなります。

このため、自分や子供の生活のために、離婚に同意することができないという場合です。

家に住み続けることができなくなる

また、持ち家の場合には「家」の問題が理由で妻が離婚に同意できない場合も見られます。

住宅ローンがまだ残っていて、夫の収入がなくなると住宅ローンの支払いが困難になるというケースです。

住宅ローンの支払いができなければ、家に住み続けることができず、住み慣れた家から転居する必要が出てきます。

このため、「家」の問題が、離婚に応じることができないという理由になります。

子供がかわいそうであること

子供が小さい場合などが多いですが、離婚しては子供がかわいそうであると考える方もいます。
自分の妻がこの問題をどう考えているかよく確認しておくことも大切です。

世間体

最後に、離婚することにマイナスのイメージを持っている方もいます。
離婚した場合に、家族や友人、近所や会社から悪く思われるのではないかという不安です。

このような不安から離婚に応じないこともあります。

離婚に同意しない理由を踏まえて説得する

では、離婚したい夫としてはどのように対応したら良いでしょうか。

離婚については、協議離婚→調停離婚→裁判離婚という順に段階が進んでいきます。

詳しくは、それぞれのページを参考にしてください。
協議離婚
調停離婚
裁判離婚

協議や調停の場面では、基本的に話し合いです。

話し合いの中で、妻が離婚に応じられない理由を踏まえて、それを解消する方向で進めていきます。

お金が問題であれば、場合によっては向こう何年かの生活の援助を条件にすることもあるかもしれません。
これは、お互いの収入や職業、離婚協議に至った経緯などにもよります。

また、妻が離婚できない理由が家の問題にある場合にはこれを解消する必要があります。
家の問題は、法律的には財産分与の問題です。

妻が家に住み続ける代わりに、住宅ローンを妻側で負担してもらうということもよくあります。
住宅ローンや家の価値など、様々な状況に応じて柔軟に協議することが必要です。

子供がかわいそうであること、世間体などが離婚を拒否する理由になっている場合はどうでしょうか?

まだ夫婦が同居中である場合に、よく問題になります。

自分が離婚を希望する理由を、丁寧に説明して理解してもらうことも場合によっては必要です。
それでも同意が得られない場合には、別居を検討したり、離婚調停を申し立てることによって、状況を変化させることも意味があります。

ただし、子供にとっては、父親の存在がかけがえのないものであることは間違いないので、面会交流や養育費の支払いによって、離婚の影響を最小限にすることにも留意しましょう。

以上のように、離婚したいけれど妻が離婚してくれない場合には、同意できない理由を踏まえて進め方を考えます。

最後まで同意してもらえない場合には裁判を考える

離婚協議や離婚調停をしても、妻から離婚に同意してもらえないケースももちろんあります。
収入の不安という問題を最後まで解消できない場合などが典型例です。

この場合には、最終的には裁判を検討します。

裁判の場合には、離婚事由が備わっていれば、妻の同意がなくても判決により離婚が成立します。

このように裁判まで至るケースは割合としては少数であるものの、別居期間が長期になっても相手方が離婚に応じない場合などには、やむを得ず裁判を申し立てる場合もあります。

まとめ

以上、離婚したいけれど、妻が同意してくれないとの悩み・相談について解説しました。

重要な点は、
・妻が同意しない理由を考えて同意を求める
・同意を得られない場合には裁判を考える
という点です。

抜本的な解決策はありませんので、あなた自身の状況に照らして良い進め方を検討してみてください。

執筆者情報

「ある日突然、法律のトラブルに直面した方の手助けをしたい。」 当事務所ではそのような理念の下で弁護士業務を行っています。 事務所には、弁護士に相談するのが初めてという方が多く来られます。 そのような方々に、法律上できるだけのサポートをさせていただきます。 弁護士として11年目になりますが、その間、離婚問題・男女問題について 数多くの事件を取り扱ってきました。 悩みを一人で抱え込まずに、お気軽に御相談ください。|弁護士紹介はこちら

目次