不貞慰謝料の減額を交渉した事例
依頼者 女性 20代 会社員
ご相談の経緯
今回のケースは,依頼者が交際相手の男性の妻から慰謝料の請求を受けていた事例です。
請求額は,200万円を超えていました。
依頼者と交際相手の男性の詳細は,ここでは記載することができませんが,上記の金額は依頼者の行為に照らして大きすぎる金額でした。
依頼者は,自分の行為を認めており,また相手方の奥様に対する謝罪の気持ちを持っていました。
ところが,200万円を超える金額は裁判例に照らしても大きいものでしたし,そもそも本人が払うことのできる金額を大きく超えたものでした。
何より,相手方の奥様には弁護士がついており,依頼者は弁護士からの内容証明に驚き自分ではどうすることもできず当事務所を訪れました。
本人の希望が間に立って慰謝料の減額をして欲しいというものでしたので,当事務所はそのまま依頼をお受けすることになりました。
当事務所の活動
弁護士に依頼をした場合には弁護士が相手方との窓口になりますので,本人が相手方と直接やりとりをすることはなくなります。
このようなこともあって,依頼者は依頼後ひとまずプレッシャーから逃れることができました。
しかし,相手方が希望する額とこちらの提示額との差が大きく,交渉はなかなか進みませんでした。最終的にやむなく裁判により解決することとなりました。
依頼者は,仕事がら平日休むことはできず,裁判についても引き続き弁護士に依頼されることを希望しました。
弁護士が裁判の委任を受けた場合には,証人尋問など特別な場合を除き,基本的に本人は裁判所に行く必要はありません。
今回の件も弁護士が全て出席することで手続が進み,依頼者本人が裁判所に行くことはありませんでした。
本件では依頼者は慰謝料が発生することは認めており,その金額について納得がいかないというケースでした。
裁判でもそのような方向で手続きを進めました。
結果
最終的に,慰謝料として80万円を支払うことで裁判上の和解が成立しました。
ポイント
こういったケースの場合,できれば交渉のみで和解が成立することが望ましいのですが,当事者双方の考えている金額が離れている場合には,交渉のみでの解決は難しいこととなります。
その場合には,裁判での解決によらざるを得なくなります。
事実関係について争いがある場合には,当然裁判になることが多いのですが,今回のケースのように慰謝料の支払い自体を認めているケースであっても裁判になることは少なくありません。
その場合に,弁護士に依頼されるかどうかという点はなかなか悩ましいところです。
弁護士に依頼しなくても,きちんと主張立証をすることで合理的な金額で解決することは少なくありません。
ただし,今回のケースのように仕事の休みが取れない場合には,弁護士に依頼することが必要になります。
また,よく依頼を受けるケースでは,裁判を受けるという経験が初めてで,とても怖いという心配があって依頼を受けるケースがあります。
金銭的な面では弁護士費用が生じてしまいますが,裁判への出席を含めてほとんどのことを弁護士が担当しますので,プレッシャー自体は相当軽減されるとは思います。
ただし,その場合には弁護士費用が発生してしまいますので,依頼者の方が金額を優先されるのか,それとも自分の不安やプレッシャーなどを減らすことを優先されるのかという価値観の違いになります。
今回のケースでは最終的に100万円以上の減額が実現しました。
そのようなこともあって依頼者には満足いただくことができましたが,やはりそもそも配偶者のある方と交際することは良いものではありませんので,後々の慰謝料のことも考えて慎重に行動していただけると良いと思います。
しかし,後になって慰謝料を請求されている場面ではそうも言っていられませんので,依頼するかどうかは別として法律事務所にご相談にお越しになるのが良いです。
相談をしたからといって,必ず依頼をしなければいけないというわけではありません。
ひとまず相談だけをして,依頼をせずに自分で減額の話をするという方もいらっしゃいます。
ただし,事情が事情ですから,あまり他人には相談することができず一人で問題を抱え込んでしまうことも多いのではないでしょうか。
弁護士には守秘義務がありますので相談頂いた内容を外に漏らすことはありません。
このため,ひとまず自分の悩みを共有できる第三者がいるということが支えになることも多いですので,こういう面からも弁護士を頼っていただけると良いと思います。