離婚調停について夫側から依頼を受けた事例
依頼者 男性 30代 会社員
相手方 女性 30代 会社員
子 なし
今回ご紹介するケースは,夫側の代理人となって離婚調停に対応したケースです。
夫側が離婚を求めていましたが,奥様の側も離婚を希望していました。
このように双方とも離婚を希望していたものの,離婚の条件で折り合いがつかず,また感情的なもつれがありましたので話し合いが長期に及んでいました。
離婚協議の段階から奥様の側には他の弁護士がつき,依頼者は自分も弁護士をつけたほうがいいと考えて当事務所に依頼をされました。
依頼を受け離婚協議を行いましたが,双方の意見の隔たりが大きかったため,協議は難航し,離婚調停に移行しました。
調停でも時間がかかりましたが,最終的に双方が合意する形で離婚が成立しました。
期間としては依頼を頂いてから1年ほどの期間で離婚が成立しました。
依頼者は,当事務所に依頼された感想を次のように話していました。
「解決までに1年ほどかかったことが精神的にも辛く,先生に依頼をせずに一人で全部対応していたとしたら精神的に到底持ちませんでした。」
「先生にお任せしたことで,抱えている心の重荷がとても軽くなりました。」
離婚協議や離婚調停は必ずしも弁護士が必要ではありません。
これは協議や調停が主として話し合いによるものだからです。
もっとも,そのような話し合いはお互いの利益が対立することもありますし,プライベートなことなので知人や友人など第三者に相談することもなかなか難しい内容であるのが通常です。
このケースの依頼者は,協議の際の精神的なサポートが必要で弁護士に依頼を考えました。
また,このような交渉ごとに慣れていませんでしたので,その点からも弁護士へ依頼される利益が大きいというようにお考えになったようです。
弁護士は法律の専門家ですから,一般の方は,そういった知識や経験を補充するために弁護士が必要だとお考えになる方が多いと思います。
しかし,インターネットの普及で大抵の情報については,一般の方にとっても入手がしやすい状況になっています。
このため,弁護士に依頼せずにも,ある程度の知識を得ることは可能です。
しかし,今回の依頼者のように精神的な面のサポートも含め,依頼を希望される方も少なくありません。
また,インターネット上の情報について基礎的な部分については良いかもしれませんが,例えば 住宅ローンを負担している場合に算定表どおりの婚姻費用を支払う必要があるのか,減額の方向で調整する必要あるのかなど,込み入った点についてはやはり専門家の意見を確認しておくことも重要です。
さらに,今回のケースでは最終的な和解の時に,細かい条件で折衝が行われました。
この際,どの条件で譲歩すればいいのか,あるいはどの条件では譲れないのかという点について進め方に難しいところがありました。
このような場合,弁護士であれば交渉ごとに慣れていますのでさほど苦労はありませんが,そういうことに慣れていない方には,どういうところで自分の主張を通したら良いのか,どういう所で譲った方が良いのかという判断に困られることもあります。
また,そういった判断はその場で行う必要があることも多く,ある意味瞬発力といったものも必要になります。
普段のお仕事で取引などが多い方は,この種の能力に長けている方もいらっしゃるでしょう。
他方,そういった交渉ごとに慣れていない方も少なくないと思います。
そういった方は弁護士のサポートを受けながら,話し合いや調停を進めていくことも選択肢の一つにするのが良いでしょう。