離婚準備リスト7個+2【重要な点のみ】
相談者「離婚準備のチェックリストが欲しいです…」
離婚の相談を受けていて、こういったニーズをよく聞きましたのでまとめました。
離婚準備のやることリストとしてご活用ください。
本記事を執筆したのは弁護士ですので、弁護士目線からの準備リストになります。
離婚準備のやることリスト
【共通】
1.離婚に同意してもらう
【子どもがいる場合】
2.どちらが親権を持つか決める
3.養育費の金額を決める
4.面会交流について話し合う
【該当する場合】
5.財産分与を決める
6.慰謝料の金額を決める
7.年金分割の割合を決める
補足1 離婚後の生活を設計する
補足2 進め方を調べておく
では、説明していきます。
参考にしてください
2011年弁護士登録・岐阜県弁護士会所属
>>弁護士紹介
離婚に同意してもらう
当然と思われる方も多いかもしれませんが、相手方に離婚することに同意してもらうことは離婚準備のための最重要のポイントです。
このため、リストの一番上に記載しました。
夫婦とも離婚に同意している場合には、次に進んでください。
まだ離婚について配偶者と話していなかったり、配偶者が離婚を拒否している場合には、まず離婚に同意してもらうことを最優先に考えてください。
配偶者と話し合いができない場合や、配偶者が離婚を拒否している場合の進め方などについては、別の記事に詳しくまとめる予定です。
どちらが親権を持つか決める
子どもがいる場合には、夫婦のどちらが親権を持つか決めることも、離婚準備の上で重要なポイントです。
親権について話し合いができていれば、協議離婚による解決も期待できます。
反対に、両親が互いに親権を持ちたいと考える場合には、協議離婚はできませんので、離婚調停など別の手段を考える必要があります。
養育費の金額を決める
父母のどちらが親権を持つかが決まった場合には、次に養育費の金額について決めることになります。
養育費の金額については、裁判所が金額の基準を公表しているので参考にすると良いです。
何歳までにするかということや、大学などのお金はどうするかなどが実務上問題になります。
面会交流について話し合う
親と子の面会の問題も話し合っておくと良いです。
親同士が感情的にいがみ合っていたとしても、子どもに罪はありませんし、子の成育のためにも親との定期的な面会交流が重要だとされます。
一方、DVや強いモラハラなどがあり、面会交流が心配されるケースも存在します。
そのような場合の面会交流についてはとりわけ慎重に話し合いをする必要があります。
しかし、面会交流についての主役は子どもであり、子の福祉の観点が何よりの出発点になります。
財産分与を決める
夫婦の間に貯蓄がある場合には、離婚に伴い清算を行います。
これが財産分与です。
若い夫婦の場合には、貯蓄が少なく、財産分与を行わず離婚することもあります。
反対に、結婚期間が長い夫婦の場合には、夫婦の財産も多くなりがちです。
家の問題であったり、離婚後の生活にも関係してきますので、財産分与が一番の争点となるケースも多くあります。
財産分与については、様々なテーマや議論があり、ここですべてを記載することは難しいです。
少なくとも離婚準備としては財産分与についても話し合いを行って、どのように清算するかを決めておくことが必要です。
慰謝料の金額を決める
不貞行為やDVがあるケースには慰謝料の問題が出てきます。
慰謝料の支払いや金額については、明確な基準はないので、当事者同士で決められないことが多いです。離婚調停などで金額を決めることも少なくありません。
ただし、相談者の中には慰謝料の金額は決まっており、あとは公正証書を作るだけという方もいらっしゃいました。
年金分割の割合を決める
分割の対象になる厚生年金がある場合には、年金分割についても話し合っておきます。
相談の一番良い場所は、最寄りの年金事務所です。
いつも混み合っているようですので、電話予約をしてから相談に行くのが良いです。
補足1 離婚後の生活を設計する
離婚の準備として離婚後の生活設計をしておくことはとても大切です。
挙げればキリがないですが、主に次の点です。
・住まい
・生活費
住まいについて
持ち家の方は、分与を受けるかどうか検討します。住宅ローンが残っている場合には、自分でローンを返済できるかも計算しておく必要があります。
仮に相手方が離婚後もローンを払ってくれると約束していても、いつ支払いが止まるか分かりません。住まいの問題は、自分の生活に直接影響するので、できるだけ自分でコントロールできるようにします。
賃貸の方は、持ち家の方に比べて考えることが少ないです。
引っ越す場合には、いつ引っ越すかということや、新居探しぐらいでしょう。
あるいは、離婚準備として実家に戻る選択肢もあります。
実際、費用や精神的な安定、子育てなどの理由で、離婚準備として別居して実家に身を寄せる方も多数います。
生活費について
離婚後の生活費についても、きちんと計算しておきます。
財産分与の話し合いにも影響があります。
給与や年金、生活状況の変化など様々な点を踏まえて計算しておかなければならず、場合によっては仕事探しも必要になります。しかし、離婚後の生活費の問題は、今後の生活に関わってくるので、できるだけ丁寧に慎重に行います。
このこともあって、配偶者に対してすぐに離婚を切り出さずに、十分な準備期間を置いて離婚を進めていく方も多くいらっしゃいます。
離婚の準備期間については、下記の記事を参考にしてください。
補足2 進め方を調べておく
離婚を決めた場合であっても、相手がいることですから、すぐに離婚という訳にはいきません。
離婚をどのように進めていくかも考える必要があります。
離婚の種類について
離婚準備の場合は、協議離婚か調停離婚を考えることになります。
協議の場合には、公正証書が必要か?なども考えておきます。離婚調停で考える場合には、申立て方法などを調べておきます。
離婚の種類については次のページも参考にしてください。
弁護士へ依頼するかどうか
協議でも調停でも、弁護士に代理を依頼することができます。
本人だけで進めることが多いですが、話ができないなど弁護士に依頼する場合もあります。
まとめ
以上、離婚準備のやることリスト7個+2を挙げてみました。
大きく分けて
・離婚自体の同意
・子どものこと
・財産に関すること
・離婚後の生活
・離婚の手続
です。
参考にしてください。