離婚準備とお金ー手続自体はお金がかからないこと

離婚準備中の方

「離婚を考えています。離婚を進めるのにはどれぐらいお金がかかるのでしょうか?心配です。」

このような不安に答えます。

本記事を執筆したのは、岐阜の弁護士です。
結論から言えば、弁護士に依頼をしなければ離婚手続き自体にそれほどお金はかかりません。

また、多くの事件で弁護士に依頼することは必須ではありません。

その理由について、詳しく解説していきます。

執筆者

参考にしてください
2011年弁護士登録・岐阜県弁護士会所属
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目次

離婚準備でかかるお金

まずはじめに離婚の準備でかかるお金についてです。

大まかに
・離婚手続の費用
・別居の費用
・弁護士への依頼費用
と分けてみます。

離婚手続の費用

離婚の手続きにかかる費用は、離婚方法によってまちまちです。

多くの方は、協議離婚の方法で離婚します。
市役所に離婚届を提出するだけですので、お金はかかりません。
公正証書を作る場合もありますが、その場合は手数料が数万円かかります。

家庭裁判所での離婚調停の場合はどうでしょうか?
調停の場合は、収入印紙1200円と切手代、それから戸籍謄本取得の手数料が必要です。
5000円もかからないでしょう。

裁判の場合にも、手続きの費用自体はそれほどかかりません。
(後で記載しますが、弁護士に依頼した場合の費用が高額です。)
裁判の手続きの費用は、収入印紙2万円弱と切手代、戸籍謄本の手数料になります。

別居の費用

離婚の際に必要であることが多いのが、別居(引っ越し)の費用です。

夫婦のどちらが家を出るかによりますが、ある程度まとまったお金が必要になるので挙げました。

弁護士への依頼費用

高額になりがちなのは、弁護士に依頼した場合の依頼費用です。

着手金・報酬金でそれぞれ数十万円かかるのが普通です。
離婚準備のお金のほとんどを弁護士費用が占めることになります。

しかし、すべての方にとって弁護士への依頼は必要ありません。

これについて詳しく見ていきましょう。

弁護士への依頼が必須でないこと

離婚弁護士や離婚調停と聞くと、離婚のために弁護士が必要と思う方も多いかもしれません。

繰り返しになりますが、多くの離婚で弁護士は必須ではありません。

協議離婚の場合

離婚協議であれば、市役所に離婚届を出すだけですので、夫婦同士で可能です。

養育費の金額だったり、財産分与で揉めている場合はどうでしょう?
この場合、離婚協議を弁護士に依頼することもできます。

ただ、離婚調停に持っていって、調停の中で話し合うこともできます。
離婚準備のお金を節約するのであれば、離婚調停を申し立てるのが良い方法です。

離婚調停の場合

では、離婚調停の場合は弁護士は必要でしょうか?

離婚調停の場合であっても、弁護士に依頼せずに進めている方は珍しくありません。
この場合には、上に書いたように収入印紙など数千円で進めることができます。
そして、離婚のほとんどが協議か調停で成立しています。

このように、ほとんどの離婚手続きは弁護士へ依頼せずに進めることができます。
弁護士費用がかかりませんので、離婚準備でそれほど多くのお金を用意しておく必要はありません。

弁護士への依頼が必要な場合

以上のようにほとんどの離婚では弁護士への依頼は必須ではありません。

しかし、次の場合には弁護士への依頼が必要です。

弁護士への依頼が必要な場合
・一人で進めるのが心配な場合
・複雑な争点がある場合
・離婚の裁判

一人で進めるのが心配な場合

裁判所での手続きが不慣れで心配であったり、調停でうまく話せるか心配な方もいます。

このような場合は弁護士への依頼にメリットがあります。

複雑な争点がある場合

夫婦双方が親権を主張している場合、財産分与で難しい問題がある場合など、争点が複雑な離婚問題があります。

このようなケースは弁護士へ依頼して進める方が良いです。

離婚の裁判

離婚調停がうまくいかなかった場合は、裁判により離婚を行います。
裁判の場合は、ほとんどのケースで弁護士がついています。

ただ、当事務所の相談者の中には、弁護士をつけずに裁判を進める方もいます(相談だけ適宜受けます)。
そのような方は離婚の手続きにほとんどお金がかかっていないはずです。

別居の費用

多くの離婚のケースでかかるのが別居の費用です。
離婚をすれば、別々に暮らすことになるので。

しかし、離婚準備中に別居に至るケースもかなりあります。

離婚準備中に別居が必要な場合

ケンカをして自然に別居となるケースもあります。

ただ、
・相手方が離婚に応じない
このような場合には、離婚協議中に別居を検討する必要があります。

離婚準備で時間がかかるのもこのようなケースです。

参考:離婚準備にかかる期間-状況別にまとめました

費用の節約

別居費用については、次のような方も多いです。

・費用が安い時期を狙う
・実家に一時的に戻る

ただ、どうしてもかかってしまう費用なので、ある程度の支出は心づもりしておくと良いです。

まとめ

以上、離婚準備にかかるお金について解説しました。

弁護士に依頼しなければ、離婚準備にそれほどお金はかかりません。
そして、ほとんどのケースで弁護士への依頼は必須ではありません。

弁護士については、離婚の進め方などで心配があったら法律相談を利用する、というような関わり方で良いように思います。

参考にしてください。

執筆者情報

「ある日突然、法律のトラブルに直面した方の手助けをしたい。」 当事務所ではそのような理念の下で弁護士業務を行っています。 事務所には、弁護士に相談するのが初めてという方が多く来られます。 そのような方々に、法律上できるだけのサポートをさせていただきます。 弁護士として11年目になりますが、その間、離婚問題・男女問題について 数多くの事件を取り扱ってきました。 悩みを一人で抱え込まずに、お気軽に御相談ください。|弁護士紹介はこちら

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