調停離婚
この記事では、複数ある離婚の種類の中から、「調停離婚」について解説します。
家庭裁判所での調停は、多くの方にとって馴染みがないものだと思います。
できるだけわかりやすく説明しますので、参考にしてください。
調停離婚とは
調停離婚は、家庭裁判所から選出された調停委員の立ち合いのもと、話し合って離婚を目指す方式です。
離婚を希望する側が家庭裁判所に離婚調停の申し立てをすることで開始されます。
相手方配偶者が離婚調停に応じて、調停の中で離婚について話し合いがまとまると調停が成立し、離婚となります。
どのようなケースで調停離婚となるか
いくつかある離婚の種類の内、日本で一番多いのは、夫婦で離婚について話し合って取り決めをして、市役所や区役所などに離婚届を提出する協議離婚です。
協議離婚は夫婦間で合意が得られれば離婚届を提出するだけで離婚が成立するので、手続きが簡単で費用も抑えられるというメリットがあります。まずは協議離婚ができないか検討するとよいでしょう。
夫婦で話し合いができなかったり、相手方が離婚に応じなかったりといった状況になってはじめて、離婚調停を申し立てることになります。
離婚調停の流れ
離婚調停は、まず離婚を希望する側から家庭裁判所に申し立てを行うことで開始されます。
その後、家庭裁判所から相手方配偶者に対して調停期日の通知書が届けられます。
第1回目の調停期日は申し立ての約1か月後に指定され、夫婦双方が出席します。
初めて調停に出席する方は下記も参考にしてください。
以降は1〜2か月ごとに調停が開かれ、離婚に向けて話し合うことになります。
夫婦双方が離婚条件などに合意したら、調停が成立して離婚となります。
調停の申し立てから成立まで半年から1年ほどかかることも多く、ケースによってはそれ以上の期間がかかることもあります。
また、双方の主張にズレがあってまとまらないことも多く、話し合いの余地がない場合には調停が不成立となり、すぐに終了する場合もあります。
調停期日に裁判所ですること
調停の期日は、午前または午後の半日にかけて行われます。
男女2名からなる調停委員が当事者から交互に話を聞き、解決に向けて話を進めていくため、当事者同士が顔を突き合わせて話し合いをすることはありません。
また、およそ30分ごとに交替をするので、込み入った内容まで話す余裕がないことが多いです。
そのため当日に積み残した問題は、次の調停の期日までに検討して、持ち越して話を進めていくのが一般的です。
調停期日で話す内容
離婚調停の場合には、離婚自体について双方がどのように考えているかということを、初めに確認する必要があります。
その後、夫婦の状況によって、親権・養育費、財産分与、慰謝料などの論点ごとに話を進めていくことになります。
離婚調停の終わり方
調停の結果、論点ごとに夫婦双方が歩み寄り、合意が得られた場合には調停が成立し、離婚となります。
反対にお互いの意見が相違して平行線をたどる場合には調停では解決することできないため、調停は不成立となり、終了することになります。
調停が不成立となった場合には、離婚を希望する当事者が裁判を申し立てるかどうかを検討し、裁判離婚に移行します。
Q&A
Q離婚調停には必ず出席した方が良いか?
調停を申し立てられた側から、「離婚調停には必ず出席した方がよいでしょうか?」と相談を受けることがあります。
調停は話し合いの場ですので、出席することで不利益になることはありません。
相手の考えを知る機会にもなるので、出席する方向で考えた方がよいでしょう。
Q弁護士に依頼した方が良いか?
調停を申し立てる場合、あるいは申し立てられた場合に、弁護士は必要かという質問も多く寄せられます。
離婚事件の内容にもよりますが、基本的に離婚調停は弁護士に依頼せずに本人だけで進めることができる手続きです。
それでも離婚調停を進める上で不安や心配がある場合や、自分の力では手に負えないと判断された場合には、無理をせず必要に応じて弁護士への依頼も検討されるとよいでしょう。