離婚後のお悩みをご相談されたい方へ
財産分与、養育費、面会交流などの離婚条件については、事前にご夫婦で話し合い、離婚と同時に決めるのが一般的です。
ところが、離婚届だけを先に提出したもののそれ以外のことは一切決めておらず、離婚した後に困惑する方がまれにいらっしゃいます。
また、離婚時に養育費の金額を決めていた場合でも、転職や再婚など生活状況の変化により養育費の支払いが困難になる場合もあります。
このページでは、これらの離婚後に生じる問題とその対応方法について解説します。
財産分与の問題
ご夫婦の中には、離婚自体に合意するのがやっとのことで、財産分与の話し合いまで至らずに離婚するケースがあります。
財産分与は離婚後も請求が可能ですが、2年以内に請求をしないと権利が消滅してしまいます。見方を変えれば、離婚後2年以内であれば財産分与について話し合うことができるということです。
離婚後はそれぞれが新しい人生を歩みだすので、少額の分与であればあえて問題にしないこともあり得ますが、分与すべき財産が大きければ離婚に伴い清算するべきでしょう。
離婚後に財産分与について手続きする場合も、まずは当事者同士で話し合い、合意に達すれば合意書を作成するのが通常の手続きの流れです。
話し合いがつかなければ、家庭裁判所で調停を行うことになります。
養育費の取り決め
当事務所に寄せられたご相談の中に、養育費の取り決めがなかった事例があります。
養育費の金額を決めていない場合には、裁判所が作成した養育費に関する算定表を参考に金額を決めるとよいでしょう。
あわせて、支払い方法や、子どもが何歳になるまで支払いを継続するか、大学に進学する場合の学費についてなど、可能な限り取り決めておくのが望ましいです。
養育費の減額や増額について
離婚時に養育費の金額を決めていたとしても、後日事情が変わり、養育費の金額が妥当でなくなることがあります。
たとえば、支払い義務者の転職や失職により収入が低下した場合や、受け取る側が仕事を始めたことで収入が増加した場合などです。
この他にも、再婚や養子縁組など身分関係の変化によって扶養にまつわる法律関係が変化する場合も少なくありません。
いずれの場合も、まずは話し合いにより養育費の金額を調整することが望ましいでしょう。
しかし、離婚調停などで養育費の金額を決めていた場合には、当事者同士で金額を調整するのは難しいことが多く、再度家庭裁判所での調停により解決することも多いです。
養育費の減額や増額の調停では、養育費を決めた段階で、将来の事情変更を予想できたかどうかもポイントになります。
面会交流について
離婚時には面会交流の取り決めをしておらず、離婚後に親権者にならなかった側から、子どもとの面会希望の相談を受けることもあります。
この場合もまずは話し合いにより、子の利益が最優先となるよう配慮しながら、望ましい面会方法や頻度などを調整していくことになります。
財産分与や養育費などと同じように、当事者同士で話し合いがつかなければ家庭裁判所での調停により解決することになるでしょう。
家庭裁判所の実務としては、虐待など特段の事情がない限り、面会の頻度は1月に1回程度で調整することが多いです。
弁護士への相談
これまで見てきたように、離婚後に問題が生じた場合はまず当事者間で話し合い、それでも解決できない場合には家庭裁判所の調停を行うのが一般的な流れです。
家庭裁判所での調停は、裁判のように主張や立証をする場ではなく、当事者同士で円満に話し合って解決を目指す手続きですので、基本的には弁護士に依頼しなくても進められます。
ですが、弁護士に依頼をすることで法律的なアドバイスが受けられたり、精神的な負担が軽減されるといったメリットもあります。
自分一人で進めることに不安がある場合には、後に遺恨を残さずスムーズに解決するためにも弁護士へご依頼いただくのがよいでしょう。
また、準備をはじめる段階で弁護士に相談しておくだけでも、思わぬ失敗を防げて安心できますので、まずはお気軽にご相談ください。