離婚を決意された方へ

はじめに

当事務所には離婚を決意したという方がよくご相談にお越しになります。
このページでは、離婚を決意した方が、どのように離婚を進めると良いか、その際に気を付けるべきポイントなどについて解説します。

進め方は状況に応じて異なります

離婚を決意したといっても、状況によって離婚の進め方は異なります。

たとえば、離婚について配偶者と話ができているか否か、現在同居中か別居中か、自分は夫側か妻側か、子どもの有無、離婚を決意した理由などがポイントとなります。

それぞれの状況により、取るべき手段や主張できる部分、離婚を有利に進めるためのポイントが変わります。離婚を決意したらまずは状況を振り返り、今後の進め方について計画を立てると良いでしょう。

配偶者と話ができているかどうか

離婚について夫婦で話ができているか否かは、離婚を進める上で最重要ポイントと言っても過言ではありません。
離婚をすること自体に双方がおおむね同意している場合には、次に財産の問題に移行し易く、この場合はある程度円満に解決することが多いです。
財産分与の条件に折り合いがつかず双方が譲らないケースでは解決が長引くこともありますが、それでも離婚すること自体が争点となっているケースよりも早期に決着することがほとんどです。

別の例で、双方が離婚自体には合意していたとしても、子どもの親権をどちらが獲得するかについては争いが起こり易いです。
双方が親権を譲らない場合には協議離婚はできず、離婚について配偶者の合意が得られないケースと同様に、調停などの手続きが必要となり問題も長期化します。

夫婦関係が悪化しすぎていて離婚の話し合い自体が成立しない場合には、弁護士に依頼をし、代理人となった弁護士を通して離婚の話を進めていくこともあります。

同居中か別居中か

現在、同居中か別居中かということも、離婚の手続きの中で大きなポイントになります。

夫婦の双方が離婚に合意している場合には、同居中に何らかの方法で話し合い、協議離婚の方向で進めることもあり得ます。
この場合、離婚後に遺恨を残さないために、取り決めた内容を元に公正証書を作成するご夫婦もいらっしゃいます。

離婚自体の話がまとまっていない場合は、同居を継続しながらスムーズに離婚することは難しいでしょう。
同居中でも離婚調停を申し立てることは可能ですが、その間も配偶者と顔を合わせることとなり、負担やトラブルが発生しやすいといった懸念があります。
また、不貞行為や暴力などの離婚事由がない場合、同居している事実があると裁判で離婚が認められるケースは稀です。
このため、現在は同居中であっても、離婚を決意すると同時に別居を検討される方も大変多いです。

このように、現在配偶者と住居を共にしているか否かは離婚を進める上で重要なポイントとなりますので、夫婦の関係性などを考慮し、適宜対応すると良いでしょう。

夫側からの離婚か、妻側からの離婚か

自分が夫側か、妻側かという点も離婚の進め方に影響があります。便宜上「夫妻」としましたが、厳密に男女で区別されているわけではなく、ここでは生計維持者はどちらかという点が重要となるため、注意が必要です。

夫婦の収入状況をみると、一般的には夫の方が妻より高収入であることが多いため、自分が夫側である場合には婚姻費用(生活費)を負担する可能性を考慮する必要があります。
また、妻の方が子どもに接している時間が多い傾向にあり、このことは親権の帰属に影響があります。

ただし、これらはあくまで一般論で、昨今では妻の収入の方が多い場合や、夫が子どもの面倒をみているといったケースもあります。
このような場合には、性別による夫と妻という区別は正確ではなく、夫婦のどちらの収入が多いか、子どもがいる場合にはどちらが多く子の養育をしているかという点が離婚を進める上で重要となります。

子どもの有無

夫婦に子どもがいるかどうかも大きな問題であり、子どもがいる場合には、まず親権が定まらなくてはいけません。

夫婦のどちらが親権を持つかが決まっていれば、それを踏まえて養育費や面会交流について調整をすることになり、さほど問題は大きくなりません。

しかし、夫婦双方に親権を譲る意向がない場合は協議による解決は難しくなります。
この場合は、調停や裁判の利用も検討することになるでしょう。

家の問題

持ち家がある場合も離婚まで時間がかかることが多く、その原因は主に財産分与の問題によるものです。

離婚後にどちらが持ち家に住み続けるかが出発点となりますが、住宅ローンが残っていることが多く、まずは住宅ローンの負担の問題を解決する必要があります。

また、住宅ローンは銀行との協議が必要となることがあり、解決までの時間が長引く要因となります。
これに対して家が賃貸である場合は、過去の費用など少々の問題は生じても大きな問題には発展しにくく、早期に離婚が成立する傾向にあります。

離婚を決意した理由

離婚を進めるにあたって、おおもとの離婚を決意した理由についても整理しておく必要があります。

配偶者の不貞行為は、離婚の理由として法的に認められているので、離婚が承認されやすいです。
また、配偶者からの暴力がある場合には、弁護士、警察、女性相談センターなどの支援を受けながら、早期に離婚に向けて動く必要があります。

離婚を決意した理由が性格の不一致や配偶者のモラハラである場合は、内容や期間によっては婚姻関係の破綻が認められにくいといった問題があります。
直接の離婚事由とはならないため、別居の検討や調停申し立ての検討が必要となるケースが多いです。

弁護士が必要かどうか

離婚を決意した場合には、その理由や状況をさまざまな観点から考え合わせて、より良い方法を用いて話を進める必要があります。

親権や財産分与などの問題について夫婦で冷静に話し合うことができる場合は、基本的に弁護士の依頼は必要ありません。
ですが、夫婦で抱える問題が大きかったり、関係が悪化していて離婚についての話し合いができなかったりという状況では、すぐに離婚というわけにはいきません。離婚の悩みは親や友人にも相談しにくいものです。
一人で考えても解決できない問題や、法律的な疑問も多いと思いますので、まずは弁護士に相談をして、確実な方法で離婚の手続きを進めていくと良いでしょう。

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