離婚条件の交渉について
離婚時には、夫婦間で財産分与や養育費といった様々な離婚の条件を定めなければなりません。
この記事では、
「離婚条件が折り合わずに困っている」
「離婚条件の交渉の仕方について知りたい」
「どのように条件を提示すればいいのか知りたい」
といった悩みをお持ちの方に向けて、離婚条件の概要、交渉や条件提示の仕方、注意点などについて解説します。
離婚の条件が折り合わず離婚が成立しない
離婚することが決まり次第、離婚届を提出して、離婚条件については後から話し合うこともできます。
ですが、離婚条件を取り決めた上で離婚届を提出するのが一般的です。
夫婦で離婚を決めた場合でも、財産分与や養育費などの離婚条件が折り合わないというのはよくあることです。
そうした場合に、夫婦の間に離婚の意思はあるのに離婚が成立しないといった問題が生じます。
離婚条件について
離婚条件は夫婦によって様々ですが、多くのケースで問題となる項目には
・親権
・養育費
・子の面会交流
・財産分与
・慰謝料
が挙げられます。
当事務所が扱った熟年離婚の事案の中には、年金分割の条件に折り合いがつかず、按分割合を定めるため家庭裁判所の調停に至ったケースもありました。
離婚条件の交渉
離婚条件について折り合いがつかないときは、どのように交渉を進めるとよいのでしょうか。
まず気をつけていただきたいのは、「離婚条件の項目ごとに交渉の仕方が変わる」ということです。
お互いが親権について争っている場合には、交渉の余地はほとんどありません。
ですが面会交流については、面会の頻度や方法などをお互いに話し合って調整することができます。
直接の話し合いができない場合には、家庭裁判所の調停を利用するなどして条件交渉をするケースも多々あります。
養育費・財産分与・慰謝料などの金銭的な離婚条件については、交渉を進める中で条件のすり合わせがしやすく、比較的解決しやすいと言えます。
条件交渉の時の注意点
離婚条件を交渉する場合は、最終的にはお互いが歩み寄って妥協点を見つける必要があります。
離婚をするような状況ですので、これまでのいきさつから相手を許せないことがあったり、感情的に受け入れられなかったりといったこともあるでしょう。
ですが、条件交渉をする場でその点を必要以上にアピールしてしまうと、着地点までの道のりが遠のいてしまいます。
時には相手を非難することが有益な場合もありますが、条件交渉の際は冷静になって必要に応じて指摘する方が、自分に有利な条件での解決に近づきます。
条件の提示の仕方
多くの方が悩まれるのが、離婚条件の提示の仕方です。
最初に希望条件をすべて提示して話を進める場合もあれば、最初に希望条件を提示せず、交渉を進める中で希望条件に近づけていく方が功を奏する場合もあります。
ちなみに、最初に提示する条件は自分の希望よりも少し高い条件を提示して、徐々に下方修正するケースはよくありますが、最初から適切な条件を提示することが事案に即している場合もあります。
また、弁護士が代理人となっているか否かでも変わります。
このように、離婚条件の適切な提示の仕方は希望する離婚条件や夫婦の状況、手続き方法などによって異なるため、事案に応じた適切な方法をよく検討することが大切です。
離婚交渉を弁護士がする場合
夫婦双方または一方が離婚について弁護士に依頼した場合、弁護士が離婚条件の交渉を行うことになります。
下のページでも解説しましたが、弁護士がついているからといって特別な権限が付与されるケースは少なく、依頼者が持つ権限を活用して解決に導くのが弁護士の業務です。
離婚条件を話し合う手続き
離婚条件について話し合う手続きは夫婦間の「話し合い」によってなされますが、前述のように弁護士が代理人となる場合は、家庭裁判所での離婚調停で行われることもあります。
話し合いの段階によって交渉の仕方や進め方も変わりますので、ご自身では対応が難しいと感じられたら弁護士にご相談いただくとよいでしょう。